創刊!安楽寺ライフスタイルマガジン「シ」
このたび、安楽寺では死をテーマにした雑誌「シ」を創刊致しました。
今年5月に開業をした ガーデニング墓 niwabo。
1年におよぶプロジェクトの中では、niwaboという墓地のデザインなどに限らず、様々な議論を 立場・年代・価値観がバラバラなメンバー でおこなってきました。
そのなかで「 死 に向き合うことを避けて、もしくはできるだけ意識しないで済む効率的・分業的な社会や制度が出来上がっていることで、死を意識することから遠ざかり、結果的には生や命を軽んじることが起こっているのではないか」 ということ。
また、「そんな話は縁起が悪い」「生きているうちにするものではない」など向き合わずに忌避することが、「社会の中のわたし」という強い同調性を生みやすい日本人の特徴に相まって「死は避けるべきもの」「死は穢れ」という、それ以上の思索や探求を阻む風土や土壌に繋がっているのではないか と気づきました。
厳密には、以前から感じていた気づきが言語化されました。
すべての生き物が、生きるうえで必ずしなければならないことがあります。
それは、他の命を奪うということです。でも、自分が生きる為に必要な命を、目の前でお互いに命をかけて奪う(頂く)というのが自然界の摂理です。
人間は、大量生産・大量消費が豊かな生活や時代を生みだすと考えて、遺伝子を操作し、命を閉じ込めて都合の良いように繁殖をさせて、より早く大きくなるために不自然な飼料を与え、大量の薬を与えて都合の悪い病気を排除し、結果として未曾有のパンデミクスを招き、大量の食糧廃棄物を生み出し続ける社会を作りました。
昔、よくおばあちゃんから「首をはねた鶏ってな、しばらく走るんやで」と聞きました。
なんか気持ちの悪い話だなぁと思いましたが、今思えば、それが「頂きます」の原点なのだと感じます。
話は長くなりましたが、お経の漢訳文でさえ「昔」のものになりつつある時代に、輪廻・彼岸・此岸・涅槃・四苦八苦などの仏教用語を多用せず、僕たちの自然体の言葉で「死」を見つめてみようと思います。
安楽寺だけではなく、カフェやお店に1冊置いていただいて気軽に手に取っていただけるようなデザインを 山田 志穗 さんにお願いしました。
【 ライフスタイルマガジン「シ」 】
ぜひ手に取って、ゆっくりと、時間をかけながら美味しい珈琲やお茶と一緒に読んでみてください。わずか34ページの雑誌ですが、様々な思いにつながる内容にできあがりました。
遠方から購入希望の方は、以下の BASE安楽寺(ECサイト) から購入くださいませ。
https://anrakuji.thebase.in/items/76900450
【内容】
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P.2 創刊記念トーク 「不思議だらけのシを見つめてみる」
天王山安楽寺 住職せいはん 坊守あき
編集・デザイン 山田志穗
P.10 特集:シのデザイン、なんでそんなかんじ?
design1 OHAKA – 村上大理石さん
design2 BOCHI – 堀打造園さん
P.26 絶対にこたえの出ない謎解きクイズ
P.28 2023年3月31日。わたしたちのもとに小さな命がやってきた。
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発行者:天王山安楽寺
〒910-4272 福井県あわら市北潟42-12-2
TEL : 090-3164-5109
URL : https://awara-anrakuji.com/
編集長:杉本成範
編集・デザイン:山田志穗
A5判・全34ページ定価 800円(税込)